株式会社三十三総研
各部お問い合わせ先

三重短期大学・三十三総研主催
第18回小論文・作品コンクール
人口問題へのアプローチ
〜私たちが考える新たな未来図〜



三重短期大学と株式会社三十三総研は、産学連携事業の一環として三重短期大学生を対象とした第18回小論文・作品コンクールを実施しました。今年度は「人口問題へのアプローチ〜私たちが考える新たな未来図〜」をテーマに、小論文や、レシピ・デザイン等の作品を募集しました。
2024年7月から12月までの応募期間中に、31件の応募がありました。
選考委員会による厳正な選考の結果、最優秀賞1作品、学長賞1作品、優秀賞2作品、新人賞1作品、佳作3作品、奨励賞1作品が選出され、2025年1月23日に表彰式を行いました。


  氏名 タイトル名 学科
最 優 秀 賞  石田 幸椰 人口減少下における関係人口と価値循環
三重県における可能性
法経科第2部
2年
学 長 賞  片寄 結斗 漁業の維持に向けて−島根県と三重県の比較− 食物栄養学科
2年
優 秀 賞 上村 奏音
吉永 和奏
パステル津ぎょうざ 食物栄養学科
2年
小嶋 梨央
波多野 アンジェラ 恵
細江 健太
地方創生に向けた一考察
〜東京一極集中の是正を中心として〜
法経科第1部
経商コース
2年
新 人 賞  辻下 愛果莉
寺西 ゆい
ポリ袋で完成!野田あられチャウダー 食物栄養学科
1年
佳 作 杉原 翔太 銀杏が生みだす持続可能な市の発展への可能性
〜地域活性化と少子高齢化問題解決に向けて〜
食物栄養学科
2年
久保 美友 日本の空家問題対策に期待される地方銀行の役割 法経科第1部
経商コース
2年
小澤 優菜 未来につなげるお茶文化 食物栄養学科
2年
奨 励 賞  赤畠 渚彩
橋本くるみ
アレルギー対応スイーツラブボアーズ 食物栄養学科
1年


○入賞作品 要旨

  • 最優秀賞 石田 幸椰 「人口減少下における関係人口と価値循環 三重県における可能性」
  •  日本の総人口は 2008 年以降、減少し続けている。その影響はますます深刻になるばかりである。本稿では、人口減少問題への対応を議論し、関係人口と価値循環による三重県での可能性を検討した。日本政府は特定の地域に継続的に多様に関わる関係人口の創生・拡大に取り組むことを目標に掲げ、2018 年より関係人口拡大のためモデル事業の支援を行なっている。三重での度会県復活の評価や総務省の調査報告で挙げられた課題と教訓を用いて、価値循環を活用することで、三重県で裾野拡大(外国人)型の関係人口を創生・拡大することが期待できると筆者は考えた。そのための提案が文化の醸成、全国通訳案内士の育成強化、大学などの教育・研究機関との連携である。人口減少下でも増加するグローバル成長との連動をヒト・モノ・データ・カネの循環と掛け合わせて価値循環を行うことで、関係人口の創生・拡大と同時に地域外から稼ぐ力を高めることが期待できる。人口減少以外の社会問題にも目を向け、柔軟な活動を行うことで、関係人口拡大以上の予想外の可能性があることを示した。

  • 学長賞 片寄 結斗「漁業の維持に向けて−島根県と三重県の比較−」
  •  本論文では島根県と三重県を対象に、両県の人口問題および漁業における現状と課題を比較し、それぞれの解決策を考察した。島根県では若年層の都市部への流出と高齢化が進み、過疎化が深刻化している。一方、三重県は観光資源が豊富なため人口減少は緩やかであるが、過疎地域では同様の問題を抱えている。漁業では、島根県ではシジミの漁獲量減少、三重県は伊勢えびの漁獲量減少が問題となっており、それぞれ地球温暖化や生態系の変化が原因とされている。両県は特産品の漁獲量、人口ともに減少しているという共通の課題があるとわかった。この問題を解決するためには、漁業の魅力を発信し、後継者の育成を促進する取り組みや、資源管理が重要である。また、地域ブランドの強化や漁業体験を活用した観光振興が、地域経済を活性化させ、人口減少の抑制につながると考えられる。両県が抱える課題に対し、地域全体で協力し、漁業の維持と人口問題に向き合う必要がある。

  • 秀賞 上村 奏音・吉永 和奏「パステル津ぎょうざ」
  •  津市はブラジルのオザスコ市と姉妹都市提携を結んでおり、これまで交流を深めてきた。三重県全体としても外国人住民数はブラジル人が最も多く、国際交流、多文化共生は重要な課題である。そこで、2 つの文化を融合させた「パステル津ぎょうざ」を2品考案した。津餃子は直径 15cm の皮を使った揚げ餃子で、学校給食でも提供される津市のご当地グルメである。パステルは、薄く伸ばした小麦粉生地で具材を包み、油で揚げたブラジル発祥の料理である。具材は、ひき肉やチーズなどを使った一般的なものから、甘いものを入れるスイーツ風のものまで地域によって種類は様々である。今回のレシピでは、津市の農産物であるしいたけの他、トマト、チーズ、あいびき肉、玉ねぎを具材として使用した。もう 1 品は、マシュマロとあんこを入れて揚げ、スイーツ風に仕上げた。ブラジル国籍の方、津市民ともに親しみをもって食べてもらえるよう考案したこのレシピは、国際交流を促し、ブラジルからの移民もさらに増えることが期待される。また、津市のイベントで紹介したり、キッチンカーでの販売を通し、街全体の地域活性化や多文化共生にも繋げることが可能である。

  • 秀賞 小嶋 梨央・波多野 アンジェラ 恵・細江 健太「地方創生に向けた一考察〜東京一極集中の是正を中心として〜」
  •  昨今、若年人口が都市部へと一極集中していることが問題となっている。本稿では、地方創生に向けた取り組みとして「東京一 極集中(地方から東京への人口流出)の是正」について論じ、国内外の事例を参照しながら解決策を検討する。我々は、東京一極集中の是正に向けて、2 つの施策を提案する。第 1 に、GoTo トラベル制度を参考に「地方中枢都市内のみで利用可能な商品券」を創設する。これにより、都心部の若者に「地方に接触する」機会を与える狙いがある。第 2 に、韓国のゼロペイ制度を模した「地域内で利用可能な決済サービス」を地方自治体が主体となって創設し、一定程度の還元を行う。消費行動を誘引し、地方を活性化させる狙いがある。前者を「東京から地方都市へ」、後者を「地方都市から各地方自治体へ」の人口移転と位置づけ、段階的な人口移転の基盤をつくる。これにより、東京一極集中を是正し、地方創生の足掛かりとなることが期待される。

  • 人賞 辻下 愛果莉・寺西 ゆい「ポリ袋で完成!野田あられチャウダー」
  •  三重県では、南海トラフ地震による被害が大きいと予測されている。被災による人口流動が予測される中で、市民一人ひとりの防災意識を高め、津市への定住につなげたいという思いから、災害時にポリ袋1つで調理できる、あられを使用したクラムチャウダーを考案した。このクラムチャウダーはポリ袋の中で調理するため、災害時に貴重な水を再利用可能である。またポリ袋で調理が完結するため衛生管理がしやすく、持ち運びが簡易であるなどの利点もある。食材は日常使いできるだけでなく全て常温保存でき備蓄品に最適である。あさりの水煮缶は汁ごと加えることで、調理工程を簡素化するだけでなく、うまみ成分であるコハク酸の作用で贅沢な味に仕上がる。また災害時に不足する鉄を1品で補うことができ、鉄が不足しがちな若年女性においては一日の推奨量の約 90%を摂取することが可能である。さらに、地産地消を意識し、三重県特産のあおさをたっぷり使用した「野田米菓」のあられを取り入れた。防災用として日常的に購入していただくことで、地元企業の活性化に貢献できると考えている。

 

今回(2024年度)の入賞作品集(全文)はこちら
2024年度 第18回小論文・作品コンクール テーマ「人口問題へのアプローチ〜私たちが考える新たな未来図〜」(PDF)
 

過去の入賞作品集
2023年度 第17回小論文・作品コンクール テーマ「ダイバーシティを認め合う社会へ〜SDGsの目指す理想と現実〜」(PDF)
2022年度 第16回小論文・作品コンクール テーマ「SDGsの実現に重要な『多様性』の視点から〜誰もが認め合える社会と安心して暮らせる明るい未来を目指して〜」(PDF)
2021年度 第15回小論文・作品コンクール テーマ「with/afterコロナ時代の暮らし方〜SDGsの視点から〜」(PDF)
2020年度 第14回小論文・作品コンクール テーマ「SDGsの視点から考える今後の暮らし方」(PDF)
2019年度 第13回小論文・作品コンクール テーマ「持続可能な社会〜SDGsの視点から〜」(PDF)
2018年度 第12回小論文・作品コンクール テーマ「共生社会」(PDF)
2017年度 第11回小論文・作品コンクール テーマ「共生社会を目指して」(PDF)
2016年度 第10回小論文・作品コンクール テーマ「地方創生〜わたしが考える地域の活性化〜」(PDF)
2015年度 第9回小論文コンクール テーマ「地方創生〜わたしが考える地域の活性化〜」(PDF)
2014年度 第8回小論文コンクール テーマ「“いのち”と“くらし”の未来を考える」(PDF)
2013年度 第7回小論文コンクール テーマ「“いのち”と“くらし”の未来を考える」(PDF)
2012年度 第6回小論文コンクール テーマ「地方都市のまちづくりを考える」(PDF)
2011年度 第5回小論文コンクール テーマ「3・11後のライフスタイル」(PDF)
2010年度 第4回小論文コンクール テーマ「これからの働き方を考える」(PDF)
2009年度 第3回小論文コンクール テーマ「これからの働き方を考える」(PDF)
2008年度 第2回小論文コンクール テーマ「環境問題に対する私の意見・提言」(PDF)
2007年度 第1回小論文コンクール テーマ「環境問題に対する私の意見・提言」(PDF)

お問い合わせ先
株式会社三十三総研 調査部 
TEL:059-354-7102 FAX:059-351-7066
mail:33ir@33bank.co.jp


アドビ社
※ 三十三総研レポートをご覧いただくにはアドビアクロバットリーダーが必要です。アドビアクロバットリーダーをお持ちでない方は、上のアイコンをクリックしてアドビ社のサイトよりアクロバットリーダーを入手して下さい。


PAGETOP
このホームページに関するご意見、お問い合わせは、株式会社三十三総研までお願いします。
Copyright San ju San Institute of Research,Ltd. All rights reserved.