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三重短期大学・三十三総研主催
第14回小論文・作品コンクール
SDGsの視点から考える今後の暮らし方



三重短期大学と株式会社三十三総研は、産学連携事業の一環として三重短期大学生を対象とした第14回小論文・作品コンクールを実施しました。今年度は「SDGsの視点から考える今後の暮らし方」をテーマに、小論文や、レシピ・デザイン等の作品を募集しました。
2020年7月から10月までの応募期間中に、32件の応募がありました。
選考委員会による厳正な選考の結果、学長賞1作品、優秀賞3作品、佳作4作品が選出され、12月3日に表彰式を行いました。


  氏名 タイトル名 学科
学 長 賞  平賀 佑飛 日本がとるべき再生可能エネルギー発電の形 法経科 第2部 2年
優 秀 賞 吉田 真里奈 LGBTについて 日本の同性婚 法経科 第1部 経商コース 2年
小笹 歩望 食事から健康に 生活科学科 食物栄養学専攻 2年
原見 亮輔 乳と卵を使わない 濃厚豆乳かぼちゃプリン 生活科学科 食物栄養学専攻 2年
佳 作 田中 佑奈 男性への逆差別について〜女性専用車両を中心に考察する〜 法経科 第1部 法律コース 2年
角谷 香澄 中高年ひきこもり増加と労働市場のつながり 法経科 第2部 2年
井口 瑞貴 乾パンdeとろとろグラタン 生活科学科 食物栄養学専攻 2年
橋本 唯吹 ビタミンDたっぷり鮭サンド 生活科学科 食物栄養学専攻 2年


○入賞作品 要旨

  • 学長賞 平賀 佑飛 「日本がとるべき再生可能エネルギー発電の形」
  •  今回のコンクールのテーマである「SDGsの視点から考える今後の暮らし方」の中で、環境問題は重要な課題の一つであり、この問題をテーマにした作品が複数ありました。その中で平賀佑飛さんの「日本がとるべき再生可能エネルギー発電の形」は、これからの再生可能エネルギー事業について、現状を冷静に見極めた上で、独自の提案がなされており、論旨の明確な論文であると評価しました。

     国土が狭く資源が乏しい日本の資源自給率は低く、大半を海外からの輸入に頼っています。特に2011年の東日本大震災における福島第一原発の事故により、火力発電の稼働が増え、化石燃料への依存率が増加傾向にある中、平賀さんは再生可能エネルギーの活用を検討し、まず太陽光発電を検討されています。平賀さんは、ソーラーパネルは多くの家庭で設置可能な、二酸化炭素排出量削減の有効策であるとする一方、自身の地元の三重県志摩市で、森林を切り開いてソーラーパネルが設置されている様子を見て、環境問題やエネルギー問題の有効な解決策であるはずのパネルの設置が、森林や生態系の破壊に繋がっているのではないかと指摘されています。

     そこで、今後日本が増やしていくべき再生可能エネルギーとして、小水力発電が提案されます。小水力発電とは発電の規模が1000kW以下の水力発電で、大規模ダム・中規模ダムとは異なり、貯水や放水の必要はなく、河川の流れをそのまま活用し、年間を通じて安定した発電が可能な再生可能エネルギーとされています。設置地点が落差と流量のある場所に限定されるという短所はあるものの、その開発は地域密着型であり、地域活性化や雇用創出も期待できるのではないかと述べられています。

     栃木県那須野ヶ原の農業用水路での導入事例や、京都府久御山の水道水を利用した導入事例が挙げられていますが、現在小水力発電の国内市場はほとんどなく、まだまだ発展途上にあるとのことです。

     環境問題への取組みの一環としての事業や、教育目的の事業には限界があるとし、目先の利益のみを考えて自然に配慮しない再生可能エネルギー事業は行うべきではないが、利益がなければ継続した事業は続けられないと、平賀さんは現状を冷静に分析し主張されています。

     小水力発電活用に当たっての問題点や今後の課題について具体的な提示があれば、一層内容が充実したのではと思われるものの、事業としての継続性という、市場の成長を見通した再生可能エネルギー開発の提案には独創性があり、これからの環境問題、エネルギー問題への取組みの新たな視点となる論文であると考えます。

  • 優秀賞 吉田 真里奈 「LGBTについて 日本の同性婚」
  •  吉田さんの論文は、日本の同性婚についてSDGsの視点から考察したものであり、今回のコンクールのテーマとの関連性を明確にして、丁寧に分かりやすく論を展開している点が評価されました。論文では、まず、法律上、同性婚が認められていない日本における様々な問題点を整理するとともに、伊賀市のパートナーシップ制度などの新たな取り組みを紹介しています。次に、世界の状況との比較から、日本における同性婚の法整備の遅れを指摘しています。

     また、法整備の課題に言及するだけではなく、SDGsの視点において、日本が特に達成度が低いとされるいくつかの目標を達成するには、LGBTについて子どもの頃から学べる機会を増やし、一人ひとりがジェンダーへの理解を深めていく取り組みが重要であると述べるなど、さらに踏み込んで考察している点も評価されました。

     吉田さんが主張されるように、確かに法律を整備して形だけ整えても、人々の意識が変わらなければ、課題解決には至らないと思います。また、子どもの頃からの教育や普段の生活を通してLGBTなどへの理解を深めていくことが、差別や偏見をなくし、多様性を認め互いに尊重し合える社会を実現することにつながっていくと思います。

     吉田さんの身近にも同性同士で交際している方がおられ、その置かれている境遇に疑問を抱いたことがこの論文を書くきっかけになったようですけれども、そうした人々に寄り添い、力になりたいという強い思いが、論文を通してよく伝わってきました。今後も、こうした日常に潜む問題に気づき、課題解決のために考え、行動をおこしていく姿勢を大切にしていただきたいと思います。

  • 秀賞 小笹 歩望 「食事から健康に」
  •  フレイル(老化に伴う種々の機能低下を基盤とし健康障害に陥りやすい状態)及びサルコペニア(加齢に伴う筋力の減少や老化に伴う筋肉量の減少)の予防が超高齢化社会での健康寿命延伸や介護予防のために重要な要素の一つであります。また骨格筋とその機能維持に関連の強いたんぱく質について、摂取の実態と栄養素としての重要性を考慮して「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において高齢者の目標量が引き上げられたことは注目すべきことです。

     このような状況においてサルコペニアに焦点をおいた小笹さんのレシピは、健康長寿につながり、またこの分野は栄養学上未解明な部分も多く、今後世界的にも栄養介入の増加等研究の進歩によりさらなる健康寿命の延伸が期待でき、SDGsの視点からも重要であり、テーマの選択が良好であります。

     レシピのコンセプトは、特にたんぱく質やビタミンD、カルシウムの摂取に重点を置いたことが分かりやすくまとめられており、よく要点を捉えています。また献立にも明確にそれが現れていることが感じられました。さらに主菜、副菜、汁物、デザートそれぞれに説明が加えられ、小笹さんがこの1食へ込めた思いが伝わりました。

     また、レシピ中のあんかけや白和え、パンナコッタ風ゼリーは口当たりがやさしいので高齢者に食べやすく、さらに刻み食や嚥下対応食にも応用できる調理形態です。なかでも白和えは伝統的な日本料理の一つで高齢者にとって懐かしく喜ばれる一品でした。

     使用食材については、鮭やさつまいも、ブロッコリー等の旬のものを取り入れたり、季節を感じる献立名、さらにはさつまいもと大根は地産地消を取り入れた点は高評価であります。さらに申し上げるならレシピ上に例えば「津市産大根使用」など表記されているとさらに良いレシピとなったことでしょう。

     作り方について、電子レンジを多く活用することで時短と安全に調理ができる配慮もされている点、また使用器具が示されている点は、高齢者自身の調理への動機づけを促し、日常生活の自立の一助にもつながると推測できます。

     今後は、1食の食塩相当量3.3gを特に減塩の余地のある主菜について検討されたり、食器や盛り付け方への工夫を加えることで高齢者に喜ばれる1食へとさらに発展されることを期待しまして、私の講評といたします。

  • 秀賞 原見 亮輔 「乳と卵を使わない 濃厚豆乳かぼちゃプリン」
  •  近年増加傾向にある食物アレルギーへの対策は非常に重要です。しかしながら、完全に対策するのは難しく、学校給食などでは誤配膳等の事故が発生しています。

     このような事故を防止する上で、応募作品の「アレルギーを持っていない子供も美味しいと言ってもらえるような工夫を行う」というのはとても良い着眼点です。食物アレルギーへの対策としては、アレルゲンを除去したアレルギー対応食を提供します。しかしながら対応食は、誤配膳の発生、対応食が疎外感などを生むといった問題を引き起こします。その為、健康な人とアレルギーを持つ人両方がおいしく食べることができる食事が提供できれば、誤配膳を防止、アレルギーを持つ人の感じている疎外感や「皆と同じものを食べたい」という願望を達成できます。

     アレルギー対応は給食の現場だけではなく、家庭でも必要です。その為、「材料が家庭でも簡単に手に入る」というのも良い着眼点です。アレルゲン除去済みの食品は増加傾向にあり、一昔と比べると入手はしやすくなりましたが、まだ一般的な店舗で必ず手に入るわけではありません。その為、どこでもだれでも食材を手に入れることができ、作成が可能というのはとても重要です。

     欲を言えば、同じデザートを何度も提供すると飽きが来てしまうことを考慮してアレンジの提案をしたい所です。例えばですがかぼちゃをイチゴに変えてイチゴのプリンにしたり、練りゴマに変えてゴマ豆乳プリンにしたりするなど、アレンジ方法を記載しても良いかもしれません。

     今後もこのような発想を生かしてレシピ作成を続けていただきたいと思います。優秀賞おめでとうございました。

 

今回(2020年度)の入賞作品集(全文)はこちら
2020年度 第14回小論文・作品コンクール テーマ「SDGsの視点から考える今後の暮らし方」(PDF)
 

過去の入賞作品集
2019年度 第13回小論文・作品コンクール テーマ「持続可能な社会〜SDGsの視点から〜」(PDF)
2018年度 第12回小論文・作品コンクール テーマ「共生社会」(PDF)
2017年度 第11回小論文・作品コンクール テーマ「共生社会を目指して」(PDF)
2016年度 第10回小論文・作品コンクール テーマ「地方創生〜わたしが考える地域の活性化〜」(PDF)
2015年度 第9回小論文コンクール テーマ「地方創生〜わたしが考える地域の活性化〜」(PDF)
2014年度 第8回小論文コンクール テーマ「“いのち”と“くらし”の未来を考える」(PDF)
2013年度 第7回小論文コンクール テーマ「“いのち”と“くらし”の未来を考える」(PDF)
2012年度 第6回小論文コンクール テーマ「地方都市のまちづくりを考える」(PDF)
2011年度 第5回小論文コンクール テーマ「3・11後のライフスタイル」(PDF)
2010年度 第4回小論文コンクール テーマ「これからの働き方を考える」(PDF)
2009年度 第3回小論文コンクール テーマ「これからの働き方を考える」(PDF)
2008年度 第2回小論文コンクール テーマ「環境問題に対する私の意見・提言」(PDF)
2007年度 第1回小論文コンクール テーマ「環境問題に対する私の意見・提言」(PDF)

お問い合わせ先
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TEL:059-354-7102 FAX:059-351-7066
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