ファイナンシャルプランナーの教える貯蓄講座 第5回 できることから始める収入の増やし方 ~クラウドソーシング編~

労働を伴わない収入の増やし方は、安定した収入の確保が困難なケースも多いため、確実に安定した収入を増やせる方法がないか気になっている人も多いと思います。

ダブルワークは安定した収入が期待できますが、時間が制約される、移動の負担が大きく、簡単に収入を増やす方法とは言えません。そこで登場するのがクラウドソーシングです。

今回は、クラウドソーシングの魅力と注意点をご案内します。

クラウドソーシングとは

クラウドソーシングとは、企業が業務の一部を外部に委託することです。今までの企業は、業務に必要な人材を全て雇用してきましたが、バブル崩壊後は自分の得意分野を伸ばしてそれ以外は外部に委託するという経営のスリム化が求められるようになりました。

そこで注目を集めるようになったのがクラウドソーシングです。企業はインターネットを通じて、業務を外部に委託することで足りない部分を補うようになりました。

クラウドソーシングでは様々な業務が委託されています。例えば、デザイン、ライティング、プログラミング、動画編集・音楽制作、アンケートなどです。

クラウドソーシングの大手であるLancersやCrowdWorksなどには、企業から集めた案件が多数掲載されています。案件に取り組んで報酬を得た場合、システム使用料として手数料が引かれる仕組みになっているので、取り組み前に確認しましょう。

クラウドソーシングのメリット

クラウドソーシングのメリットとして、以下の3つが挙げられます。

空いた時間を有効活用できる。作業場所を選ばない。有資格者はある程度の収入が
期待できる。

それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

空いた時間を有効活用できる

収入の増やし方としてダブルワークを選んだ場合、本業との両立をうまく行う必要があります。

例えば、本業が休みの日ではなく、同日に2社を掛け持ちする場合、残業が生じると一方の勤務に支障が生じるといったトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。

しかし、クラウドソーシングの場合、案件ごとに決められた納期までに作業を終わらせれば問題ないため、時間の制約を受けにくく、空いた有効時間をうまく活用できるでしょう。

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クラウドソーシングは、土・日・祝や夜間などの会社の営業時間外でも案件に取り組めます。そのため、時間に追われずに済むため、精神的な負担が小さいのが魅力です。

ただし、スケジュールの管理は自分で行う必要があるため、自己管理能力が求められます。実績を積むことによって、オファーといった直接依頼が届くようになるため、依頼数増加や報酬アップが期待できます。まずはコツコツ実績を積み上げていきましょう。

作業場所を選ばない

ダブルワークの場合は、勤務先に向かわなくてはならず、移動に時間がかかります。また、移動にかかった交通費が自己都合によるものと判断されて、自己負担になるケースも珍しくありません。

しかし、クラウドソーシングの場合は、出社しなくても対応できる案件を外注しているため、基本的にパソコンさえあれば、どこでも作業に取り組むことが可能です。

移動にかかる時間を作業に回せる、無駄な支出も減らせるのも大きなメリットと言えるでしょう。

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案件の中には、パソコンどころかスマホがあれば誰でも簡単に取り組めるものもあります。しかし、そのような手軽な案件ほど、報酬が低く設定されているという点には要注意です。

作業場所を選ばないため、ライティングやアンケートなどは、在宅時間の長い主婦層に特に人気があります。効率良く取り組むことで、10万円以上の収入を確保する人もいるため、難しく考えず、気軽に始めてみることをおすすめします。

有資格者はある程度の収入が期待できる

ダブルワークが時給制の場合は、あまり大きな収入増加は見込めないことがほとんどです。しかし、クラウドソーシングの場合は、プログラミングや動画制作といった専門的な知識や資格を必要とする案件だと、ある程度の報酬が期待できます。

本業でこれらの知識や経験を活かしている人の場合、特に負担なく作業に取り組めたり、将来独立を視野に入れている人の場合、経験や人脈獲得にもつながります。

クラウドソーシングで安定した収入を確保できるようになったのをきっかけに、クラウドソーシング1本に切り替える人もいます。

最初のうちは実績がないため、なかなか案件の確保が簡単にはいかないかもしれませんが、実績を積めば高報酬の依頼も獲得できるでしょう。

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「手数料を取られるのが嫌なので、直接契約を交渉しよう」と考える人もいると思います。しかし、企業を通して案件を受注する場合、直接契約は禁止されています。

違反した場合、退会処分だけでなく、訴訟に発展する可能性があるため、絶対に直接契約は行わないようにしましょう。

案件の中には、HPの作成で50万円、専門家(医師や弁護士など)が記事を監修した場合に1万円など、有資格者にとって魅力的な案件も多く掲載されています。競争率は高いですが、積極的に挑戦してみましょう。

クラウドソーシングの注意点

クラウドソーシングの注意点として、以下の3つが挙げられます。

必ず受注できるとは限らない。どんなクライアントか分からない。報酬の低い仕事が多い。

それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。

必ず受注できるとは限らない

クラウドソーシングには数多くの案件が掲載されていますが、必ず仕事を受注できるとは限りません。

案件ごとに「○名」といった上限が設けられており、高額な案件ほど採用人数が少ないので注意が必要です。

資格や専門的な知識を有していない人が案件を獲得することが難しいケースもあるため、安定した収入を確保できない人もいるということを理解した上で始めましょう。

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新型コロナウイルス以降、クラウドソーシングを利用する企業は増加したと考えます。

一方、リモートワークに移行したことで時間に余裕が生まれた人がクラウドソーシングを始めるケースも増えています。

採用人数が少ない高額な案件ほど当選確率は低いため、実績を多く積んで他の応募者より強みを増やしてから応募することが重要と言えるでしょう。

どんなクライアントか分からない

ダブルワークの場合、どの企業なのかが明確ですが、クラウドソーシングは匿名性が高く、実名を公表していないクライアントも数多くあります。

そもそも、企業なのか個人なのかも分からないため、どのようなクライアントの仕事なのか不安に抱く人も少なくありません。

そのため、心配性の人や誰からの依頼かをハッキリさせたい人は、クラウドソーシング以外の手段を検討するとよいでしょう。

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クライアントが分からなければ、何らかのトラブルが発生した時に心配という人も多いと思います。

しかし、クラウドソーシングサービスを提供する企業を介して案件を受注していれば、仮払いという報酬支払いが確約された状態で案件に取り組めるため、未払いが生じることは基本的にありません。

また、何らかのトラブルが生じた場合も、ニックネームで登録していれば個人が特定される心配はなく、クラウドソーシングサービスを提供する企業が仲介役に徹してくれるので安心です。

報酬の低い仕事が多い

依頼内容に特化した専門家に仕事を依頼した場合、コストが多くかかるため、コスト削減の目的でクラウドソーシングを利用している企業や個人もいます。

アルバイトで得られる報酬よりも少ないという案件も珍しくありません。労働力に報酬が見合っていなければ、精神的・肉体的負担が大きくなります。

仕事内容と報酬を確認し、自分に合った案件を探してみましょう。

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外部委託にかかる費用を少しでも抑えたいという気持ちは、私たちが日常生活で少しでも無駄な支出を抑えたいという私たちの考えと同じです。

しかし、収入を少しでも増やしたいと思っていても、割に合わない依頼を受け続けることはおすすめしません。

誰でも簡単に収入を増やせるのがクラウドソーシングの魅力ですが、自分の条件に合った案件だけに絞って取り組むといった工夫も求められるでしょう。

まとめ

クラウドソーシングは、誰でも簡単に取り組める案件から専門的な知識が必要な案件まで様々です。

クラウドソーシングのハードルは高くないため、少しでも収入を増やしたいという人には、おすすめの収入の増やし方と言えます。

しかし、必ず仕事を受注できると確約されているわけではありません。
受注率を高めるには、新規案件を定期的に 確認する、実績を積んで他の応募者との差別化を図ることが不可欠と言えるでしょう。

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